携帯電話に知らない番号から電話がかかってきた。相手はインド英語っぽい発音だった。初めてこちらで車を買ったその日に、フリーウェイでその車のエンジンが止まるというアクシデントがあった。その時わざわざ車から降りて、助けにきてくれた知らないインド人のお兄さんがこの電話番号の正体だった。

　彼と電話番号を交換し、いつかお礼をしたいと思っていたが、結局ずっと忘れたまま電話をかけることはなかった。今になって彼の方から電話をかけてきたわけだ。「日本にこの前行ってきたよ。それでまた来月、行くんだ。日本から中古車をオーストラリアに輸入してこっちでビジネスをはじめたいんだけど、日本で英語できる友達いないか？」と聞いてきた。

　年末に自分が日本に帰ることを伝えると「そうか、じゃあその時まで日本行くの待とうかな。もしそうしたら日本で車のオークションかなにかに連れていってくれるか？」と聞かれた。

　彼はメカニックで車が壊れた時はいつでも呼んで、と言ってくれる上、車がとまった際わざわざ助けてくれた、よさそうな奴なので彼の頼みは断れなかった。という事で来週中に彼の家でご飯を食べながら日本での彼のプランを立てることとなった。